桜 その2

4月を迎えたと思ったら、もう桜が散ってしまいました。早いものです。前回コラムが『桜』に関することでした。もう少しだけ深掘りしてみましょう。ごく個人的な指向ですが、『日本の春』といえば『桜』ですから。

 

4月は新入生や新入社員が特に目立つシーズン。桜の花びら舞う中、入学式や入社式が催されたり、公園で花見の場所を確保してみたり。そんな季節です。

 

東京の桜。今年の開花宣言は3月19日。3月28日には満開となったそうである。開花は平年より5日早く、満開は3日早い観測との気象庁公式発表。うーん桜といえば4月なのでは?・・・という10代20代時分のぼんやりとした記憶の中、今年は3月中に満開を迎え、散っていったという。

 

3月19日

 

二十四節気でいう今年の春分が3月20日。太陽が真東から昇り真西へ沈む、昼夜の時間がほぼ等しくなるその前日に東京の桜は開花したという。言うまでもなく、『東京の桜』とは靖国神社境内の標本木のことである。余談だが、1966年まで東京の標本木は気象庁敷地内(大手町)にあった。桜にも寿命があるから代替わりをしたということだ。標本木は全国に58本あり、ほとんどがソメイヨシノだがソメイヨシノにとって温暖すぎる沖縄は『カンヒザクラ』、寒冷すぎる北海道は『エゾヤマザクラ』が標本木となっているそうだ。

 

話がそれた。

 

平年より5日早い・・・と。果たしてそれはどういう意味なのか。

年代 最も早い

開花日

最も遅い

開花日

最も早い

満開日

最も遅い

満開日

1950~1959 3/20 4/1 3/31 4/10
1960~1969 3/20 4/2 3/31 4/15
1970~1979 3/22 4/2 3/31 4/9
1980~1989 3/20 4/11 3/26 4/17
1990~1999 3/21 3/31 3/30 4/8
2000~2009 3/16 3/31 3/21 4/6
2010~2019 3/14 3/31 3/22 4/6
2020~2026 3/14 3/29 3/22 4/4

(すべて東京のデータです)

 

なるほど。

 

50年以上前はおおよそ春分過ぎた頃に咲き始め、3月末から4月中旬頃までに満開を迎えていた。二十四節気でいう清明頃(今年は4月5日だが)に入学式や入社式などが連なっていただろうから、『桜といえば4月』というおぼろげな記憶は間違っていなかったことになる。2000年前後から春分より数日早く開花するようになり、3月下旬には満開を迎えるようになる。2020年~直近では、春分には満開という年も見受けられる。

簡易的に桜の開花予想をする上で『600℃の法則』や『400℃の法則』が知られているが、これは2月1日を起算日とし『1日の最高気温』の積算値が600℃を超えた日を開花日と予想する方法だ。『400℃の法則』は『1日の最高気温』を『1日の平均気温』に置き換えたもので他に大きな違いはなく、双方とも実際の開花日と大きな誤差はない。気象庁では桜の開花予想をしていないため(2010年まではしていた)、開花の目安とするには手軽な方法だ。

私は、2月1日の起算日を二十四節気でいう『立春』を起算日に置き換えて『600℃の法則』を使ってみることがある。(今年の立春は2月4日)

今年、自分なりの『600℃の法則』に沿って、立春から『1日の最高気温の積算値』が600℃を超えた日は3月19日。実際に開花宣言が出された日である。今年は偶然にも起算日2月1日を2月4日に置き換えて、うまい具合に補正されたということだろうか。

こっそりほくそ笑んでみたりする。

さて、満開日はどのあたりか思いを巡らせつつ花見にでも出張ってみようかと算段を始めると、今年も『春の嵐』がやってきた。今年3月25日~3月28日あたりは発達した低気圧のせいで東京は雨風ともに強く、満開かという頃に決まって『花散らしの雨』である。この時期の低気圧は台風なみに発達することが多々あり、そのため『花冷え』『寒の戻り』『春の嵐』といった季語が生まれたことは容易に想像がつく。良く言えば風情豊かな日本ならではの言葉でしょう。

こうして(簡易的ではあるが)データで見比べると、徐々にではあるが開花~満開までが早まっていることは間違いない。そう遠くない将来、桃の節句と桜の開花日が重なる日がくるのかもしれない。来年は体よく満開の桜を見られるでしょうか。