【荒川区】西日暮里駅前と一般住宅地、路線価の伸びはこんなに違う―令和以降8年間の推移比較―

国税庁「路線価図」の公表データをもとに、西日暮里駅前と一般的な住宅地の路線価が、令和に入ってからどう推移してきたかを比較しました。

毎年7月に国税庁が公表する「路線価」は、相続税・贈与税を計算する際の土地の評価額の基準です。

同じ荒川区・西日暮里エリアであっても、駅前の商業立地と一歩離れた住宅地とでは、路線価の水準も上昇スピードもまったく異なります。

今回は、西日暮里駅前の路線価と、駅から少し離れた一般的な住宅地(公示地「荒川-12」付近)の路線価を、令和元年(2019年)分から令和8年(2026年)分までの8年間で比較してみました。

1. 今回比較する2地点

①西日暮里駅前:西日暮里5丁目34番(巣鴨信用金庫 西日暮里支店前の道路)の路線価

②一般的な住宅地:公示地「荒川-12」付近(荒川区西日暮里6丁目34番)の路線価

いずれも国税庁「財産評価基準書(路線価図)」東京都・荒川区のデータから抽出した数値です。

2. 路線価の推移データ(2019年〜2026年)

年 ①西日暮里駅前
(円/m²)
前年比 ②一般住宅地(荒川-12)
(円/m²)
前年比
2019年(令和元年) 1,330,000 ー 370,000 ー
2020年(令和2年) 1,540,000 +15.8% 410,000 +10.8%
2021年(令和3年) 1,490,000 -3.2% 400,000 -2.4%
2022年(令和4年) 1,520,000 +2.0% 410,000 +2.5%
2023年(令和5年) 1,620,000 +6.6% 430,000 +4.9%
2024年(令和6年) 1,690,000 +4.3% 460,000 +7.0%
2025年(令和7年) 1,920,000 +13.6% 490,000 +6.5%
2026年(令和8年) 2,270,000 +18.2% 550,000 +12.2%

120万 180万 240万 201920202021 202220232024 20252026 ①西日暮里駅前の路線価推移(円/m²)

図1:西日暮里5-34(巣鴨信用金庫前)の路線価推移(2019〜2026年)

35万 47万 60万 201920202021 202220232024 20252026 ②一般住宅地(荒川-12)の路線価推移(円/m²)

図2:公示地「荒川-12」付近(西日暮里6-34)の路線価推移(2019〜2026年)

※軸のスケール(円/m²の単位幅)が2つのグラフで異なります。西日暮里駅前は120万〜240万円/m²、
一般住宅地は35万〜60万円/m²のレンジで表示しているため、折れ線の形(上昇カーブ)の比較を
目的としたグラフです。絶対額を比較する際は表の数値をご確認ください。

4. 駅前と一般住宅地、上昇率にはどれくらい差があるか

2019年から2026年までの8年間で、①西日暮里駅前の路線価は1,330,000円/m² → 2,270,000円/m²
(約+70.7%)
、②一般住宅地(荒川-12)の路線価は370,000円/m² → 550,000円/m²
(約+48.6%)
とそれぞれ上昇しました。

どちらも令和のこの8年間で大きく地価が上がっていますが、上昇率には20ポイント以上の差があり、駅前の方がより速いペースで地価が上昇していることが分かります。

年 ①駅前÷②住宅地の倍率
2019年 約3.59倍
2020年 約3.76倍
2021年 約3.73倍
2022年 約3.71倍
2023年 約3.77倍
2024年 約3.67倍
2025年 約3.92倍
2026年 約4.13倍

駅前と住宅地の路線価の倍率は、2019年の約3.59倍から2026年には約4.13倍まで拡大しています。
つまり、令和に入ってからの8年間で、駅前と住宅地の「地価の差」自体も徐々に広がっているということです。

特に2025年・2026年の2年間は駅前の伸び(+13.6%、+18.2%)が住宅地の伸び(+6.5%、+12.2%)を大きく上回っており、直近の地価上昇が駅前エリアにより強く反映されていることがうかがえます。

まとめ

西日暮里駅前と一般住宅地(荒川-12付近)の路線価は、令和元年から令和8年までの8年間でともに上昇しましたが、伸び率には大きな差がありました。

駅前が約70.7%上昇したのに対し、一般住宅地は約48.6%の上昇にとどまり、両者の地価の倍率も3.6倍前後から4.1倍超へと拡大しています。

相続税評価や不動産取引の際は、同じ「西日暮里」であっても立地によって路線価水準・上昇率が大きく異なる点に注意が必要です。

「荒川区の土地で坪単価1000万円以上で売れた!」というような話も耳にするようになってきましたが、
今回見たように、同じ荒川区西日暮里という住所であって、どの場所であるのか、どういう土地であるのかによって、評価は全くことなります。

相場上昇局面ではありますが、不動産を購入する際は、冷静にその土地一つ一つの価値を見極めての取引が重要です。

なお、各地の最新の路線価は、必ず国税庁の路線価図で該当地番をご確認ください。

参考資料・出典